日本骨髄バンクの事業


骨髄バンクとは

骨髄バンクは、白血病をはじめとする血液疾患のため「造血幹細胞移植」が必要な患者さんと、それを提供するドナーをつなぐ公的事業をおこなっています。
非血縁者間におけるドナーが見つかる確率は、数百から数万分の一。毎年2,000人以上の患者さんが骨髄バンクを介して移植を希望するものの、実際に移植を受けられるのはおよそ半数程度にとどまります。

移植を必要とする主な疾患

白血病 血液をつくる細胞の異常でがん化した血液細胞だけが増え、正常な血液がつくられなくなる病気 
再生不良性貧血  血液をつくる細胞の機能が低下し、血液成分が極端に少なくなる病気 
このほか、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、先天性免疫不全症、代謝異常などがあります。
そのうち、通常の抗がん剤などの治療では治らない患者さんが、命をつなぐために骨髄バンクを必要としています。

造血幹細胞移植とは

血液の病気のため造血幹細胞が働かず健康な血液を造れなくなると、貧血になったり感染症から身を守れなくなったりします。
「造血幹細胞移植」は病気の造血幹細胞を健康なものに置き換える治療法です。
造血幹細胞をどこから採取して移植するかによって「骨髄移植」、「末梢血幹細胞移植」、「さい帯血移植」があり、骨髄バンクでは非血縁者間の@骨髄移植とA末梢血幹細胞移植をあっせんしています。
@骨髄移植とは 
造血幹細胞は骨の内部の「骨髄」に多くあり、赤血球・白血球・血小板などの血液成分を作り出しています。
骨髄移植は、ドナーの腸骨という大きな骨に針を刺し、骨髄から造血幹細胞が含まれた骨髄液を採取して、患者に移植する治療法です。
なおドナーが患者さんに提供する際は、全身麻酔をかけ、うつ伏せの状態で専用の針を刺して採取します。
通常3泊4日の入院が必要です。
 
A末梢血幹細胞移植とは 
白血球を増やす薬(G-CSF)を注射すると、骨髄中の造血幹細胞が増え、全身を流れる血液(末梢血)にも流れ出します。これを血液成分を分離する機器を使って採取し、患者に移植するのが末梢血幹細胞移植です。
なお、ドナーが患者さんに提供する際は、通常G-CSFを注射する期間を含めて4泊〜6泊程度の入院が必要です。
 
詳しい提供方法、提供時の諸症状などについては、公式WEBサイトをご覧ください。

成り立ち

日本骨髄バンクは、1991年12月に「財団法人骨髄移植推進財団」として設立しました。
以来30年にわたり、白血病などの血液疾患の患者さんを救うことを使命とし、国内唯一の公的骨髄バンクとして活動を続けてまいりました。
  2012年  「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」制定
  2013年  「公益財団法人 日本骨髄バンク」に名称変更
  2014年  法律に基づく骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者として許可

○ 骨髄・末梢血幹細胞提供希望者の募集、普及啓発活動   
白血病などの病気の治療のため、骨髄・末梢血幹細胞移植を必要として骨髄バンクに新たに登録される患者の数は、毎年2,000人を数えます。2023年7月末現在の登録者数は、1,627人です。
血液中の白血球には、HLA型という型があり、この型が一致しない骨髄・末梢血幹細胞移植は、拒絶反応などの副作用により、成功を得るのが困難になります。
       HLA型適合の確率は、兄弟姉妹間で4分の1、親子間では、まれにしか一致しません。
       非血縁者では、数百〜数万分の1となります。

骨髄・末梢血幹細胞提供者(ドナー)の募集と登録 〜 ひとりでも多くの登録を
移植に適合するドナーを見つけるため、骨髄バンクでは、広く一般にドナーを募り、登録し、ひとりでも多くの患者に移植の機会を提供するよう努めています。

ドナー登録者の数は、1998年8月に当初目標の10万人に達し、2008年1月に30万人に到達しました。2023年7月末で、約55万人です。
しかし、移植率(当該年度の新規患者登録数に対する当該年度の移植数)は6割程度であるため、この引上げが求められています。それには、ドナー登録者をさらに増やす必要があり、そのための努力を続けています。
募集、普及啓発活動
パンフレットなどの広報資料を配布し、また各種行事を開催しています。
      ☆ ポスター、パンフレット、ニュースなどの制作、配布
      ☆ 広報資料の作成
      ☆ ドナー登録会の実施
      ☆ SNSを通じた情報発信  など
○ コーディネート(連絡調整)
患者と白血球の型(HLA型)が適合したドナー候補者には、コーディネーターと調整医師が、骨髄・末梢血幹細胞移植についての詳細説明をします。ドナー、家族の最終的な同意が得られたときは、採取病院および移植病院と連絡を取り、移植が円滑に行われるよう、調整します。
年間採取数は、2022年度は1,055人です。
       1993年1月に、骨髄バンクによる初の骨髄移植が実施されてから、移植件数は年々増加し、
       2022年7月末には、26,873例になりました。
○ 患者の登録審査
主治医からの申請により、患者の登録を受け付け、骨髄移植の適応について審査し、日本赤十字社ブロック血液センターに、HLA適合ドナーの検索を依頼します。
○ 移植・提供に必要な検査
患者およびドナー候補者の白血球の型の検査や、ドナーの健康検査(一般血液検査)は、日本赤十字社や当法人が指定した検査機関で実施しています。
○ 提供者に対する補償
通常は、提供することによって健康を害することはほとんどありませんが、万一の事故への備えとして、ドナー団体傷害保険による補償があります。
○ ドナーフォローアップ
ドナーに対しては、提供後の健康診断、コーディネーターによる病室訪問、電話による健康状態確認など、多面的なフォローアップを行っています。
○ 調査研究
適正で敏速なコーディネート体制の構築、骨髄・末梢血幹細胞移植の成績向上のためのデータの集積や評価 などの調査研究を行っています。
○ 国際協力
海外の骨髄バンクと提携して、国内登録患者の移植機会を増やしたり、国内ドナー登録者の善意を国外の患者治療に活かすための取組みを行っています。
○ 寄付について
提供・移植に向けての連絡調整、ドナー登録会の開催、普及啓発用の資材制作等の費用として活かされています。

善意と健康で支え合う、国民の財産ともいえる骨髄バンク事業のいっそうの充実をはかり、多くの患者の生命を救うため、各界各層に、ご寄付をお願いしています。
寄付金への課税優遇
当法人への寄付金は、税法上の優遇措置が受けられます。

      ○ ご連絡、お問い合わせは、下記へどうぞ 


公益財団法人 日本骨髄バンク

〒101−0054
東京都千代田区神田錦町3−19 廣瀬第2ビル7階
   TEL:03−5280−8111
   FAX:03−5280−0101
日本骨髄バンク        https://www.jmdp.or.jp

(230902更新)